子どもとの時間を取り戻すため その3                 我が子に会えないある40代男性当事者の思い

2014年02月11日 19:02

 

何らかの家庭の事情で親の一方が説明無く、当然のことながら合意も無く子供を連れ去り、その後は離婚を有利に進めるために頑なに別居親と子供との接点を遮断し続けるような状況に陥って丸2年が過ぎました。もちろんその状況に陥った経緯として私にも反省点はあります。夫婦喧嘩にはどちらかが一方的に悪いといった状況はありません。子供のことを妻から徹底的に遮断されるまでのことをした覚えは無いというのが正直なところです。

 

 この間に、裁判所では裁判官、書記官、調査官、看護士、更に裁判所外で臨床心理に精通している先生方(青木聡先生や棚瀬一代先生)、面会交流を支援するNPO団体の方々、心理カウンセラーの方々、産業医、政治家、弁護士などの話を伺いながら、反省すべきところは反省し、どうやれば今の状況を打開できるのか、打開できなくても少しでも改善に繋がるにはどうすれば良いのか考えてきました。

 

 当事者がよく言う「片親疎外症候群」と「片親疎外」はわけて考えなくてはならない。「片親疎外症候群(PAS)」は学説的にも反論される立場にあるが、「片親疎外」という行為そのものは実際に起こっていることは周知の事実として認識されていることもわかりました。しかし、まだまだ連れ去りが当たり前に起こる日本の現状では「片親疎外」が起こりうる環境から子供を解放するような特効薬も無いことも知りました。時には「でっちあげDV」も認められることがあることも知りました。子供に会えない別居親は精神的にも身体的にも疲弊し、その状況に対して連れ去った側に対して強い攻撃性を持つ場合があることも、当事者として認めざるを得ません。なぜなら、私も子供に会えない状況に対して、「最愛の子供に会えないこと」が大きな怒りに変わったことがあるからです。考えても見て欲しい。双方に言い分があるはずなのに、合意どころか説明すらもなく一方的に子供を引き離されたら、子供との接点が全くなくなり、同居親の思いが最優先される状況となり、子供の意思とは反して子供には会えなる、こんなに辛いことはありません。

 

 ※但し、この状況だからといって、相手をひたすら攻撃することは、私は賛同しません。その点はまた別途、頭を整理して纏めます。


 別居親と会えない状況では、同居親と別居親の間に挟まれた子供は高葛藤状態に陥り「片親疎外」という状況にも陥ってしまいます。それではどういった状態だと子供がストレスを抱えて高葛藤状態と言えるのでしょうか。私の当事者からの経験に照らし合わせて、別居や離婚という出来事が子どもにストレス与え、悪影響を与える要因(AmatoPR,1994及び棚瀬,2004)を考慮しながら、合計9つにまとめてみました。
 

(1)別居親の不在(片親不在)

(2)同居親の適応の悪さと親機能水準の低下がもたらす疑似成熟や役割逆転の問題

(3)別居や離婚後の両親間の高葛藤

(4)同居親の経済的水準の低さ(貧困)

(5)子どもが抱えている生活上の高ストレスとそれに対するサポートの無さ

(6)説明無し(=合意なき)の突然の別居・離婚(連れ去り)

(7)説明なし(=合意なき)の転居・転校

(8)監護親の長時間就労(両親ともに二重の喪失体験)

(9)説明なし(=合意なき)の苗字の変更

 

これが当てはまれば当てはまるほど子供が高葛藤になっている(子供は気づいていないケースもある)と判断できると思います。

 

私はこのうち7つが当てはまる状態であるため子供が高葛藤な状態であり、2年間の事実から「片親疎外」に陥っていると言えます。

 

同居親が言う「子供と幸せに暮らしている」という言葉は、同居親の思いを全面に出しているだけであり、子供の本当の気持ちを汲み取ったものではなく、ほんの一部しか捉えていない。

 

子どもを高葛藤にしているのは同居親なのでしょうか。それとも別居親なのでしょうか。

 

私は両親に同等の責任があると考えています。

 

罪の無い子供の高葛藤を緩和させるのは親同士の信頼関係の回復であると思うに至りました。

 

では如何にしたらその信頼関係を少しでも回復できるのでしょうか。

 

現在、その答えを見つけるために子供を軸として考え抜いているところです。